公開日:2008.01.30 最終更新日:2020.07.06
「車は走ればいい」、「冷蔵庫は冷えればいい」、「酒は酔えればいい」などとという信念の人もいるだろう。
『カメラは写ればいい』
確かにそうかもしれないが、あっという間に過ぎ去っていく一瞬、二度と無いかも知れないシーンを確実に記録しとどめておく写真。より正確に、より美しく、しかも出来る事なれば、より簡単に撮れるカメラがあるのなら。
ああ、何を書いても言い訳にしか聞こえない…
昨年12月の初めにカメラを買い換えた。発売されたばかりのD300だ。
新しいD300はメーカーに言わせるとAPS-Cフォーマット機でのD2Xに代わるフラッグシップ機の位置づけだというが、見た目も大きさも重量も今まで私の持っていたD200とほとんど変わらない。
ホントにフラッグシップかい?
FAで移籍した福留の後に残った森野じゃ…
外観デザインやスイッチ・ボタン配置も大して変わりはない。ということは、操作性も同じってこと。
液晶モニターのサイズは2.5インチから3インチになって、大きくキレイにかつ見やすくなった。これは二重マル。
シャッターは1秒間に撮れる枚数が5枚から6枚に微増したが、どうせそんなに連写することなんか滅多にない。
シャッター音は少々余韻の残るD200の方が好みだった。D300は風邪をひいてマスクをしたような音だ。いや、ここは音が静かになったと素直に表現すべきなのだろう。
しかし、私は騒々しい場所で撮る事がほとんどだから、シャッター音なんか大きくてもいいのだ。それよりも昔のNikonF1やF2のようなメカニカルで気持ちの良い音を内蔵スピーカーで鳴らしてくれないかとさえ思う。
手のひらに伝わるショックは僅かに和らいでいる。(ような気がする)
手のひらといえば、D200は横位置で構えるとボディの角が左の手のひらに当たって違和感があったが、D300にはそれがない。よく見れば底部の角が愛想無く無骨な形状ではあるが面取りしてあった。
なぜか横須賀まつりの前に買い換える事が多いデジカメ。今回は祭りシーズンオフの事でもあり、撮り心地や性能を試すことが出来ないのが残念。
もっとも、カメラを新しくしたからといって見違えるような写真が撮れる訳ではないのが辛いところだが…
ホームページやブログ程度の画像であれば、何十万円もする高級カメラで撮った画像も、携帯電話のカメラ機能で撮ったのと区別がつかないことさえあるのだから。
テスト撮影の画像が1枚もないというのはちょっと淋しいので、新しい機能を試した結果を1つばかり。
これはアクティブDライティングという機能だ。
『撮影前に設定することで、目で見た印象に近いコントラストに自動補正して記録する機能』なのだそうだ。
確かにONとOFFでは明らかに違う写真になる。判りやすい機能なんだな…
(まあ、効果が現れやすいシーンを選んでいるのだけれど)
写真1は普通に撮ったもの。建物の軒下が暗くなってしまっている。
写真2はアクティブDライティング機能をON(強)にして撮った。
写真1で暗かった軒下部分がハッキリ見えている。また左端の木の緑が明るくなっている。
しかし、両画像ともには空のトーンが変わっていない事がこの機能のキモでもある。
写真3は写真1を基に建物の明るさを写真2と同程度になるようにパソコンでレタッチしたもの。
従来はこのようにメイン被写体が適正露出になるように撮影時に補正したり、後でレタッチしなければならなかった。
しかし、輝度差の激しい場合は明暗そのどちらかを犠牲にしなければならない。例えば写真3では、空のトーンが無くなってしまっているのが解るだろう。
D200でもある程度は写真2に近づける事は可能だった。ただし随分面倒で手間のかかる画像処理とテクニックが必要だった。
D300ではこれを撮るときに自動的にやってしまう。確かにらくちんだ。
ただし弊害もある。やり過ぎれば不自然だろう。
過ぎたるは及ばざるが如し…
さてさて、祭りではどんなシチュエーションで待ち受けてくれるのか。
写真1-標準撮影
写真2-アクティブDライティングON
