公開日:2003.01.29 最終更新日:2020.07.03
黒電話をご存じだろうか。昔はどの家も玄関先にあった…らしい。
何故玄関先なのかはわからないが、大方電話線を室内に引き回さなくて済むという工事の手間省きだったのかもしれない。
頑丈でずっしり重いエボナイトのボディは、無骨かつ美しい曲面でデザインされている。
我が家には未だにその黒電話がある。ホームテレホンとパラレルで接続してあるからもちろん現役だ。
最近の子供はダイヤル式の電話機を知らないらしい。穴に指を突っ込んで回す発想が出来ないのだとか。
その自宅の電話が鳴らなくなったのはいつからだろうか。近頃では携帯にかかってくることが多いし、かける時もダイヤルしなくて済むので、つい携帯からかけてしまう。
(おかげで、ますます電話番号が覚えられなくなる…)
そんな訳でしばらく気が付かなかったのだが、受話器を上げてもツーという発信音がしないのだ。試しに携帯から自宅にかけても、呼出音がするだけで、電話は鳴らない。
考えられるのは、電話機の故障か配線しかない。
各部屋にある4台の電話機を調べてみても特に問題ない。
となると、電話線の断線しかないのだが、困ったのがどこで断線しているのか、特定して対処しなければならないこと。
NTTの電柱から家に引き込まれる保安器まではNTTの管轄。保安器から室内配線は我が友人である電話工事業者の管轄。
どこまで正常な信号がきているのか調べてやればいいのだが、ここで活躍したのが黒電話。
屋外にある保安器に、この黒電話を直結してみた。発信音が聞こえれば室内配線に問題があることになるのだが、ガーというノイズしか聞こえない。
この現象は、NTT局からこの保安器の間で片側が断線している証。NTTが悪いのだ。
で、修理依頼をしようと113に電話しようと思ったが、その電話機が使えなくては電話できない事に気が付いた。
それではと、携帯から電話してみたが、繋がった先はJ-Phoneだった
(ドコモなら繋がるらしいが)
寒かったが、近所の酒屋の軒先にある公衆電話から連絡するしかない。
だが、出かけてみたら…公衆電話が無いのだ。
最近では携帯の普及で公衆電話が減ったとは聞いていたが、まさかこんな形で我が身に降りかかるとは。
公衆電話を探したのは何年ぶりだろうか。
結局電柱から引き込む線が切れていたらしく翌日の工事となった。
この電話線も、電電公社時代は定期的に交換していたらしいが、分割民営化されNTTとなってからは、トラブルが起きるまで引きっぱなしらしい…
