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階調表現
公開日:2003.04.27 最終更新日:2020.07.03
普段と違うテレビを見て、「暗い」とか逆に「明るすぎる」と思ったことはないだろうか。
勤務先のパソコンモニターと自宅のモニターで、同じものを表示させて違って見えることはないだろうか。
まずは、下の行をご覧いただきたい。
これは白
、これも白
。これは黒
、これも黒
。
少しずつ濃度を変えてあるのだが、皆さんがご覧になっているモニターで違いがおわかりだろうか。
では下のグラデーションはどこまでが白で、どこからが黒なのだろう?
少しずつ濃度が変化しているのだから、左端近くが白で、右端は黒。その中間は灰色と答えるしかないだろう。これが階調である。写真はこのように階調で表現されているのだが、コンピュータ画像の場合は、真っ白から真っ黒までが256段階の濃さで表現されている。カラーの場合は三原色それぞれに階調がある。
次に、下のグラデーションバーをみていただきたい。
A![]()
B![]()
C![]()
Bを標準の階調とするならば、Aは白の部分が多くて黒が少ない。Cは逆に黒の部分が多いのがわかるだろう。
Aのような階調を持ったモニターは全体が白っぽく見える。またCの傾向があるモニターは画面が暗く見えることになる。
グラデーションではわかりにくいと思うので実際の画像に置き換えた例が右のA'~C'である。(違いがわかるように誇張してある)
本来はB'のように見えなければならないのにA'やC'のようにモニターに映ってしまうのだ。
これは少々困ったことである。綺麗に撮れたはずのデジカメで撮った写真がパソコンで見ると失敗作になってしまうし、ホームページの画像が制作者の意図したイメージと異なって見えることになるからだ。
また、ホームページを制作する際に、偏ったモニターを使っていると、逆の現象がおきてしまう。(例えば暗いモニターを使って補正した画像は、正しい階調のモニターで閲覧するとA’のように見えてしまうからだ)
モニターでは綺麗に表示されていてもプリンタで印刷すると思い通りの濃さにならないのも同じ理由である。
ではなぜこのような事が起きるのだろうか。原因は色々あるが、部屋の明るさの影響、モニターの調整が正しくない、モニターの経年劣化が主な要因だろうか。使用頻度にもよるが、パソコンのモニターやテレビは買ってから1年後には目に見えて劣化しているそうだ。
毎日見ているから気が付かないだけなのだが。
古いテレビやモニターを買い替えたときに、あまりの違いに驚いた経験はどなたもお持ちだろう。
また、メーカーの出荷時標準設定そのままでは、正しい階調が表現されないということ。
部屋の明るさや使用年数が違う以上、正確な設定ではないということなのだから。
長い前置きになったが、画像には階調というものがあって、その階調をモニターが正確に表示しないと不都合が起きるということはおわかりいただけただろう。
ではどうすればいいのか。答えは簡単である。調整してやればいいのだ。ここまで読んで不安になった方や、思い当たる人はモニター調整にチャレンジしていただきたい。
A’
B’
