公開日:2002.12.03 最終更新日:2020.07.05
前回jpegのファイルサイズは、大きさと圧縮率に比例すると述べたが、同じ大きさと圧縮率であっても、写っている画像の内容によってファイルサイズは変化する。
下の例を見ていただいたほうがわかりやすいだろう。
画像A(20.1Kb)
画像B(10.1Kb)
いずれの画像もPhotoShopで240×180にリサイズしjpeg圧縮(画質50)している。
本来なら同じサイズで同じ画質ならファイルサイズも同じはずであるが、実際には画像Aは画像Bに比べ約2倍になっている。
これは圧縮のアルゴリズムによるもので、単純な絵柄だとファイルサイズは小さくなり、細かい(ゴチャゴチャした)画像だとサイズは大きくなってしまうのである。案外やっかいなものだ。
画像C(15.8Kb)
祭りでも人が多く写ってゴチャゴチャした写真はファイルサイズが大きくなってしまうが、からくり人形のアップや水引幕の写真などは思ったよりファイルサイズが小さく済むのだ。
ファイルサイズが大きくなりそうなとき、私は右のように誤魔化す時がある。つまり主題以外をボカしてしまうのだ。そうするとファイルサイズも小さくなるので、1ページに掲載出来る画像を増やすことが出来る。
デジカメをお持ちの方はお気づきかもしれないが、同じ容量のメディアでも多く撮影出来るときと、そうでないときがある。カメラには撮影可能枚数(カウンタ)が表示されているが、実はあれは目安なのである。
メディアの残り容量を平均的なファイルサイズで割り算しているだけなのだ。だから、1枚撮影してもカウンタが動かない場合もあれば、2枚分減ってしまう時もある。細かい写真を沢山撮ると撮影可能枚数は減ってしまうし、逆もあり得る。
もうひとつ、これが本題なのだが、jpeg圧縮は赤色系と非常に相性が悪い。ここで理由は説明しないが、他の色に比べると圧縮率をあげていくと、ノイズが目立つようになってくる。
下の例は同じ画像を圧縮率を変えて保存したものである。画像Dでは赤幕にノイズが浮いているのがよくわかるだろう。また、黒文字も滲んでしまっている。画像Eもその傾向は残っているが、画質を70まで上げた画像Fになってやっとノイズは目立たなくなる。その代わりファイルサイズはこの大きさで27.2Kbと巨大になってしまった。
かように赤色はやっかいなものなのだ。
画像D 画質30(10.9Kb)
画像E 画質50(15.7Kb)
画像F 画質70(27.2.Kb)
これは尾張系の山車にとって致命的である。いくら頑張っても赤幕が綺麗にならないのだ。元画像に近づけようとすると巨大なファイルサイズになってしまう。
泣く泣く我慢して劣化したまま使っているが、ホームページ開設の頃からの私の悩みでもあるが、今だに対処法は見いだせないでいる。
なぜか同じ赤でも出来町天王祭の「鹿子神車」の赤色はなぜか劣化が顕著だが、「河水車」はそうでもない。他にも同様に劣化しやすい山車とそうでない山車は多くあるから不思議ではある。もちろんホンモノの幕の品質や色合いのせいではない。
大幕が青い山車は全く問題ないのだが…
「尾張の山車まつり」の画像には、このように赤幕やそれに書かれた文字が汚い画像が多くある。これは上記のような理由によるもので、画質よりもファイルサイズを優先しているためである。
やろうと思えばもっと大きくて精細な画像をホームページに掲載するのは簡単な事であるが、ただでさえ肥大してしまっているデータはサーバ容量をパンクさせるだろうし、閲覧者をイライラさせるだろう。
2回にわたってjpeg画像とファイルサイズについて書いたが、「尾張の山車まつり」をご覧になるときに、少しだけでも思い出していただければ幸いである。
