ポイントカード

 公開日:2003.02.18  最終更新日:2020.07.03

私はケチではない……と思う。
が、「お得」、「無料」といった言葉には敏感に反応してしまう。典型的な小市民なのだろう。
だから、買物をしていて『ポイントが付いてお得です。会費は無料ですよ』の店員の薦めがあるとホイホイ応じてしまう。何せ無料だから(^_^;)

先日も新しくカードを作ってもらったが、かすかに見覚えのあるデザイン。ダブって作ったのかもしれない。
それで、財布やカバン、車の中をチェックしたら、家電量販店とカメラ店だけでポイントカードがこんなにゾロゾロ出てきた。他にも書店、CDショップ、衣料品店、など全部並べたらトランプが出来そうである。何せタダであるし仮に無くしても実害は大してないので、いつ作ったのか、どこの店なのか全く記憶にないカードまで出てくる始末。

このポイントカードだが、購入金額に応じて一定率のポイントをカードに記録し、次回の買い物から差し引くという方式が多いようだ。
年会費など無料だから損は無いはずだが、はたしてこのポイントカードはお店がいうほどお得なのだろうか、何かからくりがあるに違いないと検証してみた(決して暇人だと思わないでいただきたい)

これらの店で値札から更に値引き交渉しようとすると、決まって店員の使う慣用句がある。
「ここからポイント分の○%を引きますと実際は●円になります。お買い得でしょう」
試しに「ポイントはいらないから現金で値引きしてくれ」と頼んでも、答えは無論「ノー」である。

実際に計算してみよう。仮に1万円の商品をポイント還元率10%のお店で3回連続で買った場合、最初はポイントが0なので10,000円の支払いとなる。
2回目は前回のポイントが1,000円あるので、支払額は9,000円。3回目はその9,000円に対しポイントが900円だから支払いは9,100円となるのだ。表にすると右のようになる。

合計30,000円の買物をしたのなら、10%引きで合計支払額は27,000円になってもよさそうであるが、実際支払うのは28,100円である。28,100÷30,000で実値引率は6。3%にしかならない。

商品価格 支払額 ポイント額
1回目 10,000 10,000 1,000
2回目 10,000 9,000 900
3回目 10,000 9,100 910
合計 30,000 28,100 2,810

同じ方法で25%還元で5回買物をした場合もやはり16.8%となって、表面上の率とはかけ離れた数字となる。

なぜだろうか?
着眼したいのは「ポイントは次回の買物で」と「ポイントでの買物分に対してはポイントが付かないこと」である。
例えば100%ポイント還元のお店があったとしよう。「わぁ~タダジャン!」と早合点しないでいただきたい。
では、慌て者が70万円のプラズマテレビを買ったとしよう。タダではない証拠にレジで70万円払わなければならない。買った後で70万円分のポイントが貰えることになるだけだ。もちろんこのポイントで70万円分の買物は出来るのだが、プラズマテレビを買っただけでは全然お得ではないのだ。次回70万円分の買物をして初めてメリットが出てくる。そして、70万円で140万円買ったのだから実質50%引きであって、決して100%=タダではないのである。

このポイントカード、確かにお得ではあるが、細かく計算してみるとそれほどでもないことも。
やはり私はケチだろうか……