公開日:2006.03.18 最終更新日:2020.07.05
アナログ時代が崩壊…といえば大袈裟だろうか。
今年になってニコンがF6とFM10以外のフィルムカメラを全て製造中止すると発表した。FM10は完全なマニュアル機だから今や貴重といえば貴重なカメラ。だが実はニコンと名乗ってはいるが、コシナ社が製造している「名ばかりニコン」だ。
実質的にはプロカメラマン御用達で製造台数も少ないF6だけが細々と作られることになる。
そして追い打ちをかけるように、コニカミノルタも「や~めた」と言い出した。
『ピッカリコニカ』や世界初のAFカメラの『ジャスピンコニカ』、『じゃぁにぃコニカ』、『今の君はピカピカに光って…』のミノルタX7。そして萩本欽一の『どっちがトクかよ~く考えてみよう』で一世を風靡したあのコニカとミノルタである。
こちらは徹底していてフィルムカメラだけでなくデジカメからも足を洗うようだからコニカミノルタのカメラ自体が無くなってしまうらしい。
…と、思ったらフィルムや印画紙まで全部やめてしまうそうで、写真業界から完全撤退なんだと。
昔「サクラカラー」と言っていた「コニカカラー」もさらばである。
多くのカメラを使ったが、今思えばミノルタカメラとコニカカメラだけは何故か無縁だった。コニカフィルムもほとんど使わなかったが、今回の全面撤退は私のせいでないことは確かだ…
僅かな救いは今までのコニカミノルタカメラの修理と技術のDNAはSONYが継承することだろうか。
ご時世だろう。近頃は祭りでも観光地でも見かけるのはデジカメばかりだ。若者はカメラ付き携帯電話で撮ってしまうからフィルムやカメラは売れないだろうとは思うし、事実数年前からデジカメとフィルムカメラの売り上げ比率は逆転してしまっている。
最後の牙城はキヤノンとフジだろう。フジは健気にもフィルム製造を続けるというがこれもいつまで続くか予断は許さない。
ニコンFEは絞り優先AEでもちろん
マニュアルフォーカスでフィルムは手巻き
今時のカメラより小柄だが全金属でずっしり
初めて自分のお金で買ったカメラ
無骨で重いのはF1譲りだろうか。
スレて真ちゅうの地金が見えているのがオシャレ(^。^)
と…ここまで書いている私だが、メイン機として使用していたニコンのF80とコンタックスG1を昨年売却してしまっている。デジカメと併用で印刷用にリバーサルを詰めたカメラとweb用途主体のデジカメと使い分けていたのだが、デジタル一眼の購入で昨年はそれもやめてしまった。
2005年は実は私にとって実質的なデジタル元年だったのだ。
デジカメの進歩により画質面でのメリットや制約は少なくなったし、フィルム代と現像代を必要とするフィルムに対しほとんどランニングコストのかからないデジカメではどっちがトクかよ~く考えなくても解ること。
階調性のよいネガフィルムからプリントした写真は明らかにデジタルとは一線を画し捨てがたいものだし、リバーサルのヌケのよい色味もデジカメでは出せないのだが…
電子部品が多いF80のようなAEオートフォーカスカメラは故障したときに困るのだ。製造中止後何年かはメーカーで部品を供給する義務があるのだが、それも時間の問題。
ビンテージカメラなら保有する意味もあるのだが、この手のカメラはそうではなく価値は下がる一方でそのうち限りなく無になる。手放した理由はただそれだけ。
かといってフィルムカメラをすべて処分した訳ではない。電池が無くても写す事が出来るニコンFEとキヤノンFTbというカメラは今後も手放すつもりはない。
この2台のカメラは高級機ではないが、人生の節目に手に入れた思い入れのあるカメラだ。23年前のニコンFEはフィルムを入れたら今も普通に写ってくれるだろうし、キヤノンFTbも巻き上げレバーを巻いてシャッターを切れば小気味のいい音をさせてくれる。(もう実戦で使わなくなって随分たつので撮るのは無理かもしれないが)
防湿庫の片隅で永久保存です…
ちょっと一言
フィルムであってフイルムではないが、キヤノンはキャノンではない。(ちなみに私の使用している漢字変換ATOKは’きゃのん’と入力しても’キヤノン’と変換してくれる)
