第42回 待つわ

 公開日:2000.11.18  最終更新日:2020.07.14

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場所
西春日井郡西枇杷島町
コメント

待つ、待つ、ただひたすら待つ!。。。。。

先人が知恵を絞り選び抜いた水引幕や大幕の意匠には、素晴らしいものが多く残されています。大幕は山車の中でも最も広い面積を占めており、水引も遠くからも見える位置に飾られますから、山車を代表する装飾品の一つといえるでしょう。

しかし簡単なように見えてもこの大幕の撮影は思いの外大変なのです。面積が広いですから全体を撮ろうと思うと、山車の真横にある程度の空間が必要です。そして出来れば天候は薄曇りが最高です。ピーカン(晴れ)だと陰影が強すぎたり、電線や小枝の陰が写ったりします。また反対に日陰になりますと、発色がよくありません。ですから、キレイに撮ろうと思うと案外条件が厳しくなる被写体なのです。

上の幕は、西枇杷島・問屋町の頼朝車を撮ったものです。下絵は森高雅とともにこの地方の山車幕を多く手がけている渡辺清です。「月と蝙蝠」の大胆な構図と刺繍はすばらしく、私はこの幕を見るためだけといっていいほど意気込んで西枇杷島へ向かいました。

頼朝車が提灯を付ける前の、ちょっとした時間を利用して幕を撮ろうと思いましたが、通行人が一向に途切れません。何せ祭りの日の美濃街道ですから無理もありません。

道路のギリギリ端まで下がり、カメラを構えて待つ、待つ、ただひたすら待つ!。。。。。右目でファインダーを覗き、左目で周囲の様子を見渡します。しびれを切らした頃。人並みが少し途切れそうになり、

『よし、あの子が通り過ぎる前に!』

カシャ
。。。。で、撮れた写真が上です。浴衣の少年がなぜか突然走り出し、見事にフェイントをかけられてしまいました。ガックリ!

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    左側面

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    右側面

    こうやって並べてみるとわかりますが、また失敗をしています。
    それは、左側面の写真ですが、幕の下半分が写っていません。

    右側面は、格子のところでまくり上げていた幕をおろしてもらって撮影しましたが、反対側はうっかりそのまま撮ってしまったようで。