スローなカメラ

 公開日:2005.07.10  最終更新日:2020.07.05

今年2台目のカメラを買いました。
と、云っても学研から発売されている「大人の科学」に付録で付いてきたもの(^。^)
まあ、おもちゃのカメラ…のようなものです。
その正体は『ピンホールカメラ』です。レンズの替わりにごく小さな穴に光を通して焦点を結ばせる原始的な構造です。

ピントは合わせてなくてもいいのですが、オートフォーカスではありません。パンフォーカスと云って写るもの大体全部にピントが合ってしまうのです(どこにもピントが合わないといった方が…)
本来?のピンホールカメラには絞りやシャッター装置、フィルム巻き上げなどの機構は一切ありません。光を通さない暗箱と小さな穴があればいいのですが、そこは学研が作るのですから少々凝った作りになっています。
ピンホールの代わりにレンズ(1枚構成の凸レンズ)を使うことも出来ます。シャッター機構も約1/250だけですが備えています。35mmフィルムも使えますから連写?可能です(もちろんカラーだって!)
印画紙20枚や現像剤などこれらすべてがセットになって1,680円は超お買い得かと。
カメラ本体はライカ風のお洒落なデザインで、底面には三脚用のねじ穴まで装備しているとは、まさにいたせり、つくせり。

でも、おもちゃと云えども写真が撮れなくてはお話になりません。
で、試してみました。今回は出先での撮影でしたので、印画紙ではなくネガカラーフィルムン400PREST」を使用しました。
本当はモノクロ(白黒)フィルム、出来ればコダックのトライXを使いたかったのですが…

作例です(^。^)

作例です(^。^)

恥ずかしいのと、人が集まると説明をするのが面倒なので、コソコソと三脚に付けたピンホールカメラをセット。
撮り方はいたって簡単。シャッター代わりのレンズキャップを外すと撮影開始。そして何秒かたったら、レンズキャップのフタをする。ただそれだけです(^。^)
露光時間は露出計も経験も全く役に立たないので、適当です。今回はBeatlesの「A hard day's night」のイントロ時間を頭に描いて…大体2秒程度でしょうか(^_^;
フィルムの巻き上げもカウンターがあるわけでもなく、軸の回転を目で見て行いますから、これはちょっと大変です…

※作例はネガカラーで撮影したフィルムを写真屋さんで同時プリント。なぜかスキャナが故障していたので、デジカメで複写したモノを掲載しました。
露出がいい加減ですから、失敗も多く大半が露光不足でした。(室内は全滅)
それでも、最近のDPE技術の進歩?のお陰でなんとか見られるプリントも数枚。
何ともスローなこのピンホールカメラ、手間と時間をかけた割りには、使い捨てカメラよりはるかに見劣りするプリントしか得られませんでしたが、こんな単純な機構でカラー写真が撮れるとは驚きでした。

※最近書店で同じ学研から「科学のタマゴ」という本にもピンホールカメラが実験キットとして売られているのを見ました。
パッケージから覗いた様子では、カメラデザインの細部は少し異なるようですが、基本構造は同一のようです。
対象が大人の『大人の科学』と小学生向けの『科学のタマゴ』で付録が同じとは…(^。^)